籾殻からポーラスナノカーボンへ

◎ rice-husk→porous-carbon ◎

 現在、産業廃棄物として廃棄されている籾殻は、実は不思議なナノ構造を有する物質の一つであり、うまく活用すれば、付加価値が出る可能性があります。

 籾殻を燻炭したものには、約半分の炭素と半分のシリカが含まれています。 炭素も、シリカも、ナノレベルで複雑に絡み合っていて、どちらかを除去すると、残ったものはナノポーラスの形になります。

 燻炭した籾殻をアルカリ処理によってシリカを除去すると、ハチの巣のような炭素の骨組みが現われます。 巣穴の大きさはいろいろありますが、100nmから、10μm前後まで及んでいます。

 当社は、籾殻の精製処理、炭化処理、シリカ除去処理、炭素の高結晶化処理など、一連の処理技術を最適化し、 籾殻由来ポーラスカーボンを作製する技術を開発しました。 得られたポーラスカーボンのハチの巣の「壁」は非常に薄いので、グラフェンの性質を示します(右図のラマンスペクトルを参照)。

 活性炭のようなフィルター材としての用途以上に、当社の見解では、 リチウムイオン電池のシリコン負極材への添加剤として、その特異的な形状や性能を発揮できると考えております。 シリコンの収縮膨張を吸収し、サイクル特性の劣化を抑える効果が期待されています。

 その他、応用例もご提案いただければ幸いです。

籾殻の光顕画像 籾殻由来ポーラスナノカーボンのSEM画像 ポーラスカーボンのラマンデータ